裏技ドットコム

家を捨てる「相続放棄」という裏技のメリット・デメリット

HOME > 不動産 > 家を捨てるという裏技

近年、親が住んでいた実家(不動産)を相続するケースが増えています。しかし、田舎の家など不要なので処分したいけど、売れなくて困っている人が増加傾向にあります。土地や家には固定資産税が掛かるため、誰も住んでいない家であっても、所有しているだけでコストが掛かるので、使わないならさっさと手放す方がメリットが多いです。

しかし家は、20年も住んでいればボロボロになりますし、実際に不動産市場でも(減価償却が22年で終了するので)家の価値はほぼゼロと計算されるので、古い家を売却する事は容易ではありません。特に北海道や東北、四国などの人口減少地域の田舎では、不動産の買い手が付かない事が大半です。税金の負担を考えると捨てた方がマシな訳ですが、不動産には「名義」があるので、不要な物件であっても一方的に放棄する事は法律上できないのです。

インターネットには「要らない家は市町村へ寄付できる」という口コミも流れていますが、これも基本的に難しい技です。市町村は土地の所有者から固定資産税を得る立場なので、税収を減らすうえに余計な管理費もかかる不動産の寄付は、現実には中々受け付けてくれません。

ゆえに、家を捨てるための唯一の裏技は、相続放棄することだけになります。相続放棄とは、法定相続人が本来受け継ぐはずだった遺産の全ての権利を手放すという方法です。相続人全員が相続放棄すれば、家を受け継ぐ人がいなくなり、不動産は国家に帰属する事になります。これによって相続人の人達は、固定資産税の支払い義務は消滅するのです。

近年、この相続放棄という裏技を選択する人が増えています。2014年に申し立てられた相続放棄の件数は18万2000件で、20年前のおよそ3倍になっています。空き家率の上昇と、ネットで情報が発達したため相続放棄のメリットが広まった事が原因です。

相続放棄の手続き方法は、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出する事です。必要書類は、亡くなった人の戸籍(除籍)謄本や住民票などです。

相続放棄で家を捨てられるが、デメリットも多い

ただし、相続放棄する際にはいくつかの注意点があります。まず申請の期限は、自分が相続人になった事を知ってから3か月以内です。一旦相続してしまうと、その後改めて相続放棄する事は出来ないので、特に注意が必要です。

また、相続放棄は遺産の全てを手放す必要があるというデメリットにも注意です。家に住む予定はないので手放したいけど、財産だけは相続する、といった取捨選択はできません。

ただし、この落とし穴を回避する裏技〜銀行預金などの必要な遺産だけ受け取る方法も実はあって、それは親にあらかじめ生前贈与してもらう事です。生前贈与とは、生きている内に財産を子供に譲渡しておく制度です。子供は生前贈与で予め必要な財産だけ受け取って、親の金銭的面倒を見る形にしておけば、要らない家だけ相続放棄できるので、メリットだけを預れる訳です。ただし、1年間で110万円以上の金額を受け取ると贈与税が掛かります。110万円までは非課税なので、財産が多い場合は複数年掛けて生前贈与する事が有効になります。

そして相続放棄する際は、遺族全員で話しをつけておく事も、極めて重要です。自分だけ相続放棄して、残りの人が普通に相続する事になると、誰かがいらない家を押しつけられる事になり、親族間のトラブルになかねません。相続人全員が相続放棄しなければ、家の所有権を手放す事は出来ないのです。

家を捨てるという裏技のメリット・デメリット まとめ
・法律上、不動産は勝手に捨てる事は出来ない
・いらない家を手放すには相続放棄という裏技がある
・生前贈与を上手く使えば、相続放棄のデメリットは回避できる

なお、民法940条では「その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」と定められています。つまり、相続放棄すれば固定資産税の支払い義務はなくなりますが、管理責任まではなくならないという事です。ややこしい話ですが、例えば家が倒壊して負傷者などが出た場合は、その損害賠償責任を問われる可能性があるのです。

管理責任をなくすためには、家庭裁判所に申請して、相続財産管理人を選任してもらう必要があります。相続財産管理人が決まれば、管理責任を引き継いでもらう事が出来ます。ですが、相続財産管理人の選任には予納金という費用が必要で、その金額は数十万円程度は掛かります。

※当ページへのリンクはご自由にどうぞ。但し画像・文章の転記や複製は禁止です。引用される際は必ず該当ページへリンクして下さい。
Copyright (C) 2017 https://u-waza.com All Rights Reserved.