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認知症が心配な親の面倒を見てもらう裏技

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高齢化の進行により、病院で認知症と診断される人の割合は、年々増加傾向にあります。厚生労働省の推計によると、2015年時点の認知症患者はおよそ500万人で、10年後の2025年には約700万人にまで増えると予測されています。これは、65歳以上の約5人に1人に相当します。

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もし、親が認知症でボケてしまった場合、同居していれば自分や家族が面倒を見る事もできますが、田舎で離れて暮らしている人は、途方に暮れる事になります。「ホームヘルパーさんに来てもらう」「老人ホームに入れる」などの対策が思い付くでしょうが、実はこれらの方法以外にも「成年後見制度」を利用するという裏技もあります。

成年後見制度とは、認知症などで正常な判断が出来なくなってしまった人(本人と呼ぶ)に対して『成年後見人』と呼ばれる保護者を選定し、法律的に支援する仕組みの事です。

成年後見人の仕事は、判断力に問題がある本人に代わって、家賃の支払いやローンの返済を行うなど、財産の管理および金銭契約を行うことです。また、悪質な訪問販売などで不利益を被る契約を結んでしまった場合、成年後見人が本人に代わって契約を取り消せるという権限を持っています。このように成年後見人を決めておく事で、本人の財産損失を防ぐ事も出来るのです。

成年後見人の役割は、本人が亡くなるまで(または判断能力が回復するまで)続くので、極めて責任の重い仕事です。成年後見人の報酬(利用料金)は、月額2〜6万円程度が相場です。

ただし成年後見人は、金銭・財産に関わる支援以外は行う事が認められておらず、食事・入浴・排泄の世話などは出来ません。ゆえに、基本的には一人で生活できるが、時々致命的な物忘れが発生する認知症患者に最適な制度です。

日常生活の面倒まで見てもらう必要がある親には、やはりヘルパーさんに来てもらうか、老人ホームに入居させるなど、成年後見人とは別の方法が必要です。

成年後見制度の基礎知識

成年後見制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」の二種類があります。

法定後見制度は、家庭裁判所に申請して成年後見人を決めてもらう方法で、弁護士や司法書士などの専門家が選任されるケースが多いです。認知症の度合いや判断能力を医学的に判断する必要があるので、医師の診断書(鑑定料はおよそ5万円)が必要です。

もう一方の任意後見制度は、本人がボケる前(判断能力がある内)に自分の意思で後見人を決めておく、という方法です。後見人になるための資格や条件は定められていないので、親戚や孫など本人の親族から選ぶのが一般的です。

ただし、親族が成年後見人になる場合には注意が必要です。法律上、成年後見人は本人の財産を本人以外のために使う事は出来ないと定められています。しかし、こうした法律は十分に認知されておらず、「家族のお金だから少しぐらい使っても良いだろう」と、不正行為だと知らずにお金を勝手に使ってしまう成年後見人も多く、問題になっています。2014年の成年後見人による不正利用額は約57億円で、その9割以上は親族によるものという事です。成年後見人の違反が発覚した場合は、他の親族から損害賠償請求を受ける事もあります。

2000年代前半の成年後見人は、親族がおよそ80%、弁護士など第三者が20%という割合でした。しかし、2015年には親族が30%、第三者が70%となっており、成年後見制度の選任化が進んでいます。上記の通り、家族が成年後見人になった場合は不正が起きるケースも多く、場合によっては裁判所が任命責任を取らされる事もあります。ゆえに、裁判所が余計なリスクを避ける目的で、弁護士などの専門家を選任する事が増えているのです。

認知症が心配な親の面倒を見てもらう裏技まとめ
・成年後見人を利用して、田舎に離れて住む親の財産が守れる
・近年は弁護士や司法書士など、成年後見人の選任化が進む
・但し成年後見人は財産管理以外(生活の介助など)は出来ない

成年後見制度は2000年にスタートしましたが、一般的にはあまり知られておらず、2016年時点の利用者はおよそ20万人程度に止まっています。前述の通り、認知症患者は日本におよそ500万人いるので、成年後見制度の利用率はわずか4%しかないという事です。

こうした状況を受けて、2016年4月に成年後見制度利用促進法が国会で成立しました。これは、成年後見制度の需要を把握し、後見人の担い手を育成するなど、制度の利用を促していくという法律です。日本は今後も高齢化が進む事は避けられないので、成年後見制度の重要性は更に高まっていきます。せっかく国が設けている制度なのですから、田舎に離れて住む親が心配な人は、成年後見制度の利用を考えてみるべきでしょう。

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