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大学進学率が激増している裏事情

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近年、日本では大学に進学する人の割合が激増しています。1989(平成元)年の大学進学率は36.3%でしたが、2018年には57.9%と、半数を超えました。女性も4年生大学へ行く人が増え、一方で短大への進学率が減少しています。

大学進学率が激増している理由は、大学入試の学力レベルが低下して、入学が簡単になった事です。日本は少子化の影響で、1世代の学生の数は年々減少しています。1970年生まれ(=1989年に18歳)の日本人は約185万人居ましたが、2000年生まれ(2018年に18歳)は121万人と、3分の2にまで激減しています。

一方で大学の数は、1989年が約500校、2018年が780校程度なので、30年でおよそ1.5倍に増加しています。学生の数が激減しているのに、大学の門戸は減るどころか増えているため、定員割れを起こす大学・学部が増加しているのです。実際に2017年度は、私立大学の約40%が定員割れを起こしたという酷い統計も出ています。

しかし大学側は、学生数が減ると収入も大幅に減るので、入学定員を減らすことは基本的に行いたくないのです。そのため、競争率が下がるために入試の難易度(偏差値)が大きく下がり「名前を書くだけで入れる」と揶揄される、低レベルな「Fラン大学」が激増したのです。少子化が原因で、偏差値50〜60の中堅大学が消滅し、早稲田・慶応などの一流大学と、偏差値50未満のFランク大学へと二極化した・・・という裏事情があったのです。

全国学力テスト平均正答率
  2007年 2017年
小学国語A 81.7% 74.9%
小学算数A 82.1% 78.8%
中学国語A 82.2% 77.8%
中学算数A 72.8% 65.2%

そもそも「ゆとり教育」の悪影響で、子供の学力が落ち込んでいるという統計もあります。文部科学省主導による全国学力テストで、小中学生の学力低下が明確に結果で現れています。クラスがいわゆる「どんぐりの背比べ」状態になり、賢くない学生でも「俺でも大学に行けるんじゃないか?」と勘違いする事も増えているのです。

定員割れにも関わらず、大学の学費は高騰している

面白いことに、多くの大学で定員割れを起こしているにも関わらず、学費(授業料)は長期的に値上がりが続いています。1989年と2018年を比較すると、私大文系は46.8万円→75.8万円、私大理系は67.8万円→107.1万円と、どちらも1.5倍以上に増加しています。

学費が値上がりしているのに大学進学率が激増している背景には、少子化により各家庭で子供一人当たりに使える教育費が増えている、という裏事情があります。兄弟が何人も居るより一人っ子の方が、掛けられるコストが増えますし、近年は金銭的に余裕のある祖父母世代が、相続対策として孫の教育費を援助するケースも増えています。例えば、小学生のランドセルも年々価格が上昇していますが、これは買い与えてくれる祖父母の財布にゆとりがあるからです。

★関連サイト;ランドセルの価格の長期推移

他にも、奨学金制度が広まった事も影響しています。2004年に設立された、日本学生支援機構の奨学金制度により、経済的な余裕が無い家庭でも、大学進学を諦めないケースが増えたのです。近年では、大学生のおよそ半数が何らかの奨学金制度を利用しているという事です。一方で、奨学金の返済に困り自己破産する若者まで出ているという社会問題も生んでいます。

大学進学率が激増している裏事情まとめ
・2018年の大学進学率は50%超
・中堅以下の大学は学力(偏差値)が大幅に低下した
・大学の学費は年々値上がりしている

ちなみに「今でしょ!」が流行語大賞にも選ばれた、テレビでお馴染みの予備校講師=林修先生は、近年の東大生を「真ん中から下はスッカスカのカスカス」と痛烈に批判しています。この言葉がテレビ向けの煽りでなく真実なのであれば、中堅大学だけでなく日本最高峰の東大ですらレベルが低下傾向だという事です。

日本は近年、生産性や国際競争力などの調査で、他の先進国との比較で下位に甘んじるケースが多いのは、大学全入時代による学力低下が、国力の低下まで招いているのかも知れません。

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